腸は生まれ変わるので宿便は存在しないが食物繊維で便秘を改善dietaryfiber
腸は生まれ変わるので、宿便というものは存在しない
よくダイエットなどで「宿便をとる」という話を聞きます。「宿便」は、一般的な辞書では「便秘のため、長い間腸の中にたまっていた大便」(『大辞林』より引用)と定義されていますが、実は医学的には「宿便」という考え方はありません。
宿便は、「水道管の壁にこびりついたヘドロみたいなもの」というイメージで使われていて、腸にはひだがあるので、その中に便が残ってしまうという説明をよく見かけます。しかし、これは間違いです。
腸はいつもさざ波のようにざわざわ動いています。ですから同じところがずっと谷ということはなく、谷になったり山になったりします。しかも、腸の壁の細胞は数日で生まれ変わっていて、古いものははがれて便として排出されます。
ちなみに日本人の便は7〜8割が水分、残りの1〜2割くらいが腸内細菌の死骸、1割強が食べ物の残りかす、あとは脂肪やその他のものという構成です。というわけで、腸の中のヘドロという意味での宿便は溜まりようがないのです
食物繊維をとって便秘を改善
体に必要なものを吸収し、不要なものを排出する。腸の正常な働きで成り立つ日々の便通は、健康の基本です。
宿便というものがないとしても、便秘は改善したほうが健康を保てます。排便が不順、便が硬い、コロコロ便、おなかが張る、残便感があるなど、排便困難でつねに不快感があるのが便秘です。年齢を重ねると、全身の筋肉の衰えで内臓が下垂気味になることにより、腸の働きが悪くなって便秘になることも多いようです。
慢性で常習性の便秘の改善には、生活習慣の見直しがポイントです。便秘気味の人は少食の人が多いので、まずはしっかり食事をとることです。便秘改善には発酵食品がおすすめです。味噌、しょうゆ、納豆、ぬか漬け、キムチなどは善玉菌を増やすのに効果的です。
また、根菜類、イモ類、豆類、ブロッコリー、ニンジン、バナナなど食物繊維を含む食品を意識してとって、十分に水分もとりましょう。